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  • ​病院の診療の現状 (May 7, 2020)

救急

型コロナウイルスの感染拡大に伴い、私の所属するRoyal Victoria Hospitalでもこの感染症の流行前後で、患者さんの診療形式が大幅に変わりました。この状況下で、病院を受診する状況が起こらないことが一番良いのですが、万が一の時のために私の見ている範囲での当院の現状をお伝えしたいと思います。

まず、基本的に病院への来訪は、診察や検査など何らかの予約がない場合は認められていません。診察の予約があったとしても電話対応に変更される場合があり、対面での診察か電話対応になるかは、予約時間の24時間前までに電話で伝えられます。もし来院することになった場合は、病院の入り口は制限されていますのでご注意ください(地下1階もしくは地上階の入り口のみ)。病院に入ったらそこに設置されている消毒薬で手の消毒をし、以下に挙げる症状の有無を質問されます。また、受診先の診療科でも再度同じことを質問されます。予約当日に症状がでた場合でも、家を出る前に病院に連絡して症状を伝えてください。そのまま受診になるか延期になるかは医師の判断になります。

 

<受診時に必ず尋ねられる項目>

発熱(現在・過去にかかわらず)、寒気 / 鼻水、鼻づまり / のどの痛み / 咳 / 頭痛 / 突然の嗅覚消失 / 息苦しさ / 下痢、嘔吐 / 普段と比べて健康状態が悪化している(対象:高齢者)/ 過去14日以内にCOVIDの検査を受けたかどうか、もしくは自宅でCOVID陽性患者と接触していたかどうか

 

手術に関しては、延期ができない疾患に限って行われています。一日の手術件数は、以前の半分以下に減りました。また、院内感染を防ぐため、術後に継続的かつ重点的な治療・観察が必要な患者さんが入っていた集中治療室の病室は、全て重症の新型コロナウイルス陽性患者さん用の病室に変更され、術後の患者さんの集中治療室は別のフロアに移りました。また、皆さん一度は心臓マッサージ(今は胸骨圧迫といいます)という言葉を耳にされたことがあると思いますが、この救命処置に関しても、感染拡大防止のため当院では気管挿管(呼吸を確保するための管をのどにいれること)が完了する前は、原則として行わないことに変更されました。

 

新型コロナウイルス患者さんの治療と、それ以外の病気・怪我の治療、そして院内の患者さんや医療従事者を感染から守ることについて、日々バランスを取りながら診療形態が変化しているため、現時点では通常診療は制限されています。病気や怪我は防ぎたくても防げないものが多いですが、皆さま今しばらくは、ご自身そしてご家族の健康に十分お気をつけください。

 

マギル大学麻酔科 リサーチフェロー

川上亜希子

 

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