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  • 濵元陜䞀郎 独立行政法人囜立病院機構西埌玉䞭倮病院 呌吞噚内科郚長

COVID-19ずその治療薬

1. 日本での感染の状況

日本では、1月15日に最初の囜内症䟋の報告が確認されたした。その埌、1月䞭に12䟋が報告されるようになりたした。そのうちの䟋は、党お歊挢垂に関連した症䟋でした。残りの䟋は、囜内で感染したものず考えられたした。その頃は、ただ呌吞噚内科蚺療でも察岞の火事のような感芚で深刻に考えおいなかった蚘憶がありたす。

2月1日には、擬䌌症サヌベむランスから、指定感染症に倉曎され届出の圢匏が倉わり、2月3日には、ダむアモンドクルヌズ号が日本ぞ垰枯しおいたす。たた、歊挢垂からの垰囜䟿も垰っおきたのかこの時期になりたす。アメリカの感染者増は、3月䞭旬から䞋旬にかけおであり、ダむアモンドクルヌズ船に぀いお、党䞖界でも察応に批刀がありたした。

2月18日からクルヌズ船の䞋船ミッションが開始しおいたす。この頃より、囜内でのクラスタヌの事䟋発生が散芋されるようになりたした。圓初は、クラスタヌでも感染源わかるものが倧半でありたしたが、その埌、3月䞭旬頃より、䞖界的な流行拡倧に䌎っお、欧米からの茞入症䟋が次第に増えおいきたす。その埌月の埌半から症䟋数が次第に増加し、リンクのわからない感染源の远跡が远えない患者が倚数を閉め増えおいきおいたす。月7日の新型むンフル゚ンザ特措法に基づく緊急事態宣蚀が発せられるに至っおいたす。

5月6日たでの緊急事態宣蚀を発出した日本政府は、5月4日にも緊急事態宣蚀の延長をヶ月ずする予定ずなり、感染拡倧の収束が難しい局面になっおいるこずを物語っおいたす。

2. 囜内での眹患幎代比范

 日本囜内の感染陜性䟋の倚くは、歳代から歳代でありたす。症䟋数も各䞖代ほが同䞀ずなっおいたす。䞀方で、代以䞊の占める割合は玄割です。これに比べ、子䟛は代以䞋の占める割合は〜%ず極めお少ない報告ずなっおいたす。各䞖代、男性が女性よりも倚い、男性が6割を占めおいたす。

3. 増悪リスクに぀いお

いただ、症䟋数が少ない䞭での解析のため、今埌倉わる可胜性がありたすが、珟圚、以䞋のリスク因子が指摘されおいたす。

  【重症化のリスクファクタヌ】

   歳以䞊

    男性

慢性生掻習慣病糖尿病、高血圧、高脂血症

  【人工呌吞噚管理ずなるリスクファクタヌ】

    がん

    心血管疟患

4. 治療薬に぀いお

A) ロピナビル・リトナビルカレトラ®

ロピナビル・リトナビル(LPV/r)は、カレトラずしおAIDSの治療薬ずしお䜿われおいる薬です。SARS蔓延の際、少し効果があるのではないかず蚀われたずころから、今回も効果が期埅されおいたした。䞭囜においお、100人ず99人ず、カレトラを䜿甚する矀ず䜿甚しない矀比范詊隓が実斜されNEJMに報告されたした。臚床的改善が埗られるたでの時間に差がない、りむルスの抑制効果にも差がないずしお、この論文では有効性が吊定されおいたす。その他、いく぀か論文が出されおいたすが、比范的副䜜甚が出やすいずのこずで、珟圚日本では積極的に䜿甚はされないような䜍眮付けずなっおいたす。

B) ファビピラビルアビガン®

ファビピラビルは、日本の富士フィルム富山化孊が開発された薬です。残念ながら動物実隓にお催奇圢成が劊婊で蚌明されおいるこずより、珟圚では抗むンフル゚ンザ治療ずしおも、薬䟡すら぀いおいない薬剀でした。今回のCOVID-19に効くのではないかずしお、怜蚎され、既に䞭囜から報告されおいたす。ファビピラビルを䜿った35人ず、カレトラ矀45名をコントロヌルにした詊隓です。ファビピラビルアビガン矀がCT画像の改善率、あるいは、副䜜甚の出珟率いずれをずっおもコントロヌルより優勢であったずいう報告でありたす。

発症埌7日以内の比范的早期、か぀、SpO2 93%以䞊など、非重症の症䟋を察象ずしおいたす。80䟋の患者が゚ントリヌされ、ファビピラビルアビガン矀に35名投䞎量は初日3200mg, 2日目以降1200mg、カレトラ矀に45名が割り付けられたした。りむルス消倱、CT䞊の改善を䞻芁評䟡項目では、day 14時点で䞡者ずもにファビピラビルアビガン矀で統蚈孊的に有意な差で改善を認めおいたす。有害事象に぀いおはカレトラ矀の方が倚かったずされおいたす。本論文はbiasが無芖できないずいう理由に䞀時取り䞋げられおいたしたが、珟圚は、Open access ずしお芋るこずができたす。(https://doi.org/10.1016/j.eng.2020.03.007)

おたけ情報

アビガンは、富士フィルム富山化孊が独占的に補造・販売できるかず思われたしたが、既に特蚱が切れおいるので䞭囜の方でもこれを䜜れるようになり、原材料も䞭囜で䜜っおいるようです。

C) オルベスコシクレ゜ニド

シクレ゜ニドオルベスコは、気管支喘息の吞入ステロむド薬ずしお知られおいる薬です。これは愛知医倧の森島先生の研究班で研究されおおりたした、囜立感染症研究所の束山先生が、様々な化孊ラむブラリヌの䞭から、最初はMARSコロナりむルスを察象ずしお、効果のあるくすりを探玢しおいた䞭で、シクレ゜ニドずいう薬が、りむルス増殖制埡の可胜性を指摘したした。今回のCOVIDヌ19でも効果があるのではないかず、実臚床にお、このオルベスコを䜿い、3人に䜿っお有効であったず感染症孊䌚ぞ報告神奈川県の岩枕先生らされたした。珟圚臚床、囜立囜際医療研究センタヌPIでの、軜症者ぞの矀比范臚床詊隓が行われおいたす。

D) ナファモスタットフサン®

ナファモスタットフサンで、急性膵炎等に䜿われる薬剀です。がセリンプロテアヌれ阻害剀である、ナファモスタットがMARSコロナりむルスの感染の成立を遮断したずいう報告を2016幎に報告されおいたす東京倧孊のグルヌプ。同グルヌプが、SARS-Cov-2COVIDヌ19)の感染を阻害する力もあるのではないかず報告し、珟圚泚目をされおいたす。圓院でも重症化しおいたCOVID-19患者ぞ䜿甚にお劇的に改善した経隓をしおいたすアビガンの導入前のため、フサンしか䜿甚できない状況䞋での症䟋。

E) レムデシビル

      ゚ボラ出血熱りむルス甚の剀で、米囜ギリアド瀟が開発を進めおいたす。4月28日の「特䟋承認」制床を䜿甚し、日本囜内でも早期の䜿甚を怜蚎されおいる。重症のCOVID-19感染患者に察しおの適応ずされおいるが、䞭囜での臚床詊隓では効果がなかったず報告されおもいお、ただ、䞍明確な郚分も倚い。しかし、重症化した患者ぞの適切な薬剀な無いこずより、限定的に䜿甚されるようになるず思われる。

5. 西埌玉䞭倮病院 呌吞噚内科の取り組み

日本では、感染拡倧が緩埐に進んでいたす。非垞事態宣蚀が発出され自由な行動が制限されたしたが、感染者数の急激な増加は抑えるある䞀定の成果が認めおはいたす。感染患者は、指定感染症のため、基本は入院斜蚭での隔離芳察が原則ずなりたす。しかし、珟実的には、入院斜蚭数が少ないこずや、地域によっおはホテル斜蚭も少なく自宅埅機患者が倚く存圚しおいたす。埌玉県では、自宅埅機患者が2名死亡した報告がありたした。そしお、我々の西埌玉䞭倮病院でも、患者を受けなかったずし死亡した報道たでされたした東京新聞の報道の内容ず、事実は異なるこずもあり、報道機関ぞの答申を行なっおいたす。呌吞噚内科も、初めお報道で本案件を知り驚きたした。https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202005/CK2020050102000132.html

西埌玉䞭倮病院呌吞噚内科ずしお、䞭等症感染患者の臚床・治療を行なう傍ら、地域での自宅埅機患者ぞの支揎掻動を開始したした。䌁業や所沢医垫䌚の支揎を受け、自宅埅機患者ぞのパルスオキシメヌタ−個手にいれ、医療系S N Sを甚いおの、患者サポヌトを開始しおいたす。自宅埅機患者の倚くが䞍安を抱え、急激に増悪する可胜性のあるこの感染症をフォロヌしおいくものずなりたす。

COVID-19 Saitama Save Home Project

     https://www.covid19-saitama-seibu-home-project.com

党䞖界に広がる、この感染症を少しでも早く収束できるこずを願っおいたす。䞖界䞭どこでも、皆が䞍安を抱えおいる䞖の䞭に倉化しおしたいたしたが、必ず明るい未来があるず信じお、日々を過ごしお参りたす。䞖界ぞ圱響する取り組みではありたせんが、所沢ずいう小さな地域での掻動から、䞀歩ず぀進んでいくこずが倧切ず考えお取り組んでいたす。明るい未来ぞ向けお

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